永遠の運命

只生きていた。

言葉が人を傷つけ、言葉が人を救う。

言葉を紡げないその人の代わりに

私はたくさんの言葉を紡いだ。

苦しみや悲しみ

喜びや嬉しさ。

怒りや憤り。

絶望や困惑。

 

その渦のなかで、自分を表現できないその人の代わりに

私はたくさんの想いの渦を私の言葉で紡いだ。

 

それは苦しい戦いだった。 出力されるのは イエスかノー

私は無限に広がる可能性の粒からその言葉の本流を見出そうと必死にもがいた。

聞こえてくる「くるしい」という言葉を手がかりにして必死にもがき続けた。

 

質問は無意味。 なぜなら言葉の術を持たないから。

わからない ちがう。 たぶんそう。そうかもしれない。

帰ってくるのは曖昧な返答。それに対して私は

できうる限りの優しさを持って言葉を紡いだ。

 

けれど、ありがとうと言う言葉は、あまり聞いたことがなかった。

 

好意を告げる、それに何のレスポンスもないことへの不安。

それに対してわたしはその説明をしなければいけない苦痛。

 

いずれその関係は自分を蝕み。自分の感情を蝕み。自分の心を蝕んだ。

 

私が上手くやれないから、あの人は苦しむんじゃないだろうか。

あの人が苦しんでいるのは、私のせいではないだろうか、、

私が居るから、あの人は救われないんじゃないだろうか。。

 

そんなことを、思い始めた。